J. Zheng Interview - 1 July
3回戦で今大会No.1シードのイバノヴィッチを破った中国のチェン・ジィが
とうとうセミファイナルまで勝ち上がってきた。
トップシードが次々と姿を消す波乱の女子シングルスで、俄に注目の的になっている。
2006年のダブルスチャンピオンで、もともと実力のある選手。
もっともウィンブルドンのセミファイナルなんて、運や偶然だけで来られるところではない。
ケガから復帰して、今大会すばらしいプレーを見せている彼女はすごい。
イバノヴィッチを相手にしても物怖じせず自分のプレーをしていたし、
きっと精神的にも強い選手なのだろう。
そのチェン・ジィの試合後のインタビューは、
彼女の活躍とは裏腹に、ちょっと複雑な事情も見え隠れするものだった。
チェンは今大会で自分が獲得した賞金のすべてを
中国四川省の地震の被災者に寄付すると表明している。
彼女自身も四川省の出身だという。
ところが、どうやら中国ではスポーツ選手の賞金は選手だけのものではないらしい。
賞金の何%かは、政府やテニス協会みたいな組織に入る仕組みになっているようで
彼女個人の意志で全てを自由に寄付するといったことはできないようなのだ。
中国がそういうシステムになっていることはおろか、
日本でも賞金がどういうふうに選手の手元に入るのかとか知らないし
あまり気にしたことがなかったのでとても驚いた。
インタビューではそのことについての質問が相次ぎ、
自国の事情について詳しく語ることははばかられるのか、チェン自身も答えにくそうだった。
込み入った話になると通訳を兼ねた進行役を介しての受け答えだったので、
進行役の人も、再三『彼女はテニスについて話すためにここに来ているので・・』と
そういった質問はしないように促すような対応をとっていた。
でも、最後にはチェン自身が可能と思われる範囲内で自分の考えを述べていた。
*今日の一文*
Q. Since you said you gave your money for earthquake victims, I'd like to know how much you can keep of the prize money and how much instead the government takes out of your money. There is a percentage they keep and you can give just your part of the money, or also the part of the government?
*** *** ***
THE MODERATOR: Do you want to answer that question?
JIE ZHENG: (In English.) Yeah, it's a very hard question for me, because in China sometime it's a different pression. If you play so well, you have the more pression for you. So I would like to give the all prize money but cannot, you know. I need give back to something like the tennis association, like this one.
*だいたいの和訳*
「記者の質問 : あなたは地震の被災者に賞金を寄付すると表明されましたが、賞金のうち中国政府の取り分を差し引くと、あなた個人が手にすることのできる金額はいくらくらいなのでしょう?政府の取り分が何%か決まっていて、寄付できるのはのあなたに割り当てられた額だけなのですか?それとも政府分もまた寄付することができるのですか?」
≪コメントを求める記者とさえぎる進行役の間で何度かやりとりが行われた後・・≫
「進行役 : (チェンに向かって)あなたはこの質問に答えたいですか?」
「チェン : うーん・・ 私にとってはとても難しい質問です。中国ではそれは違ったプレッシャーになることがあります。もしとてもよいプレーをしたら、より大きなプレッシャーがかかることになるのです。だから私はすべての賞金を寄付したいと思っていますが、それはできません。テニス協会にいくらか収める必要があるのです。」
単によいプレーをするだけではすまないのがプロスポーツの世界なのだ。
何しろ昨年フェデラーが獲得した優勝賞金は70万ポンド(およそ1億4千万円) ふぇぇ・・+_+
年々賞金も高額になっているし、国によってはいろいろな事情もあって、
さまざまな人の思惑がそこに絡んでくるのだなぁ・・
何にせよ、チェンがセミファイナルという舞台を存分に楽しんで
また素晴らしいプレーを見せてくれることを願っている。
Wimbledon 2008 Official Web Site